川北茂澄という本名を持つ彼が、笑いの道へとのめり込んだ原点は大学時代にある。慶應義塾大学のお笑いサークルで頭角を現した当時から、すでに周囲の学生芸人とは一線を画す異質のオーラを放っていた。単にウケを狙うのではなく、「観客の脳内にいかに引っかかりを残すか」という一点に執着する姿勢は、当時から一貫している。
シュールコメディという枠組みに収まりきらないその発想力は、膨大なインプットと鋭利な人間観察の賜物だ。既成の漫才パターンをあえて崩し、観客の期待を裏切り続ける手法。それは悪ふざけではなく、緻密に計算された「違和感の提示」に他ならない。