邦画シーンを牽引する東宝株式会社と松竹株式会社の二大メジャーも、この初夏に向けて圧巻の勝負作を投入してきた。映画ファンの間で最大の関心事となっているのが、カンヌをはじめ世界的な評価を確立した是枝裕和監督による完全新作の劇場公開だ。人間の割り切れない感情の機微を鋭く、かつ温かくすくい取る演出力は、本作でさらなる円熟味を見せつけている。
配給サイドの熱狂も凄まじい。東宝株式会社が盤石の全国ネットワークで大衆層を巻き込むプロモーションを展開する一方、松竹株式会社は伝統的な劇作家精神と革新的な映像美を融合させた意欲作をぶつけてくる。日本映画が培ってきたエモーショナルな物語体験が、観客の心をどこまで深く揺さぶるかに注目だ。