答えは至ってシンプルだ。地元・鳥取県への深い愛と、熱意ある関係者からの「直訴」を無下にできなかった政治家の生真面目さゆえである。決して自ら進んで「魔人ブウになりたい」と言い出したわけではない。だが、依頼を受けた以上は一切の手抜きを許さないのがこの人物の矜持だった。
「やるからには本気でやる」。用意された衣装に袖を通し、顔に特殊メイクを施された石破茂氏は、照れを一切捨ててカメラの前に立った。政界屈指の論客が、圧倒的な威圧感を放つピンクの魔神へと変貌を遂げた瞬間だった。この突き抜けた潔さこそが、見る者の心を激しく揺さぶったのだ。