季節が冬へと突き進むと、群馬はまったく別の凶暴な顔を覗かせる。北西の空から赤城山を越えて吹き下ろす強烈な乾燥風、「赤城颪(あかぎおろし)」の到来だ。現地で「からっ風」と呼ばれるこの風は、身体の芯まで凍りつかせる寒気とともに、瞬く間に空気中の水分を奪い去っていく。
強風と極度の乾燥が重なる冬場、最も恐れられているのが火災のリスクだ。ひとたび火の手が上がれば、暴風に乗って延焼が瞬く間に広がるため、地元の消防組織は昼夜を問わず緊張感に包まれる。また、自転車が吹き飛ばされるほどの突風は高齢者や児童の通学・外出に危険をもたらすほか、高速道路での横風煽り事故への警戒も怠れない。