数字は嘘をつかない。厚生労働省が蓄積してきた人口動態統計を精査すると、1966年の特異性は現代の統計学から見ても突出している。単に出生数が落ち込んだだけでなく、翌1967年には反動増として出生数が一気に跳ね上がった。社会全体が集団的なバイアスに同調した動かぬ証拠である。
国立社会保障・人口問題研究所が発表する将来推計人口のモデルにおいても、過去の特異年としてのデータは欠かせない参照点だ。1966年生まれの世代は、小中学校の学級数が少なく受験競争が一時的に緩和されるなど、教育や雇用の現場で独自の恩恵と歪みを同時に経験した。超高齢社会と超少子化が同時に加速する日本において、干支による人口の揺らぎが再発すれば、自治体のインフラや社会保障制度への波及はかつてない重みを持つ。