技術革新の一方で、天然のシラスウナギに頼る従来の養殖現場は依然として綱渡りの状況が続く。2025年から2026年にかけての今シーズン、日本沿岸におけるシラスウナギの採捕量は地域ごとに極端な偏りを見せた。宮崎県や鹿児島県では一時的なまとまった来游が確認されたものの、千葉県や静仙エリアでは記録的な不漁に見舞われるなど、現場の悲喜こもごもは激しい。
黒潮の大蛇行や太平洋上の水温変化が、マリアナ海溝付近で生まれた仔魚の輸送経路を不規則に歪めていることが主因とされる。稚魚1キロあたりの取引価格は依然として数百万円規模の超高値圏で推移しており、養殖業者の資金繰りを直接圧迫している。「天然頼みのビジネスモデルは限界を超えている」という声は、かつてないほど強まっている。