深夜、ある大学生がX(旧Twitter)に投稿した写真。湯切り前の麺に黒い異物が張り付いた生々しいビジュアルは、瞬く間に数万件のリツイートを記録した。愛され続けてきた「ペヤング ソースやきそば」の信頼は、わずか数時間で音を立てて崩れ去った。
まるか食品株式会社の初動は、決して順風満帆ではなかった。当初は「製造工程での混入は考えられない」と主張したことで、世論の反発は一気に激化。ネット上での猛烈なバッシング、メディアの連日連夜の報道、そして店頭からの撤去ラッシュ。即席麺製造業界全体を巻き込む大スキャンダルへと発展するのに、時間はかからなかった。
企業が築き上げてきた数十年分の信用が、指先一つの投稿で瓦解する。ソーシャルメディアがもたらす拡散力と監視の目は、企業の危機管理における脆弱性を容赦なく抉り出した。