若き日の乾貴士がセレッソ大阪でまばゆい才能を開花させ、Jリーグを席巻していた2010年。彼が21歳の若さで選んだ伴侶は、3歳年上の一般女性だった。職業は元保育士。奔放で感情豊かなサッカー小僧を包み込んだのは、落ち着きと深い包容力を持つ「姉さん女房」の存在だった。
プロのアスリートとして生きる男の食事管理やメンタルケアは並大抵ではない。とりわけ、感覚派で気分の浮き沈みがプレーに直結しやすい彼にとって、家庭に足を踏み入れた瞬間に広がる「日常の静けさ」は何物にも代えがたい避難所となった。派手なメディア露出を嫌い、裏方に徹する妻の姿勢は、当時から一貫していた。