日本の苗字研究における先駆者であり、人名学の基礎を築いた故・丹羽基二氏の著作は、珍名解明のバイブルとして今なお研究者に参照されている。丹羽氏の説によれば、日本の苗字の8割以上は「地名」に由来しており、残りも地形、職業、信仰、屋号などに分類できるという。
例えば「小鳥遊(たかなし)」という苗字は、「天敵である鷹がいないから小鳥が遊べる」という判じ物(なぞなぞ)のような遊び心から生まれた地名・屋号がルーツとされている。このように、珍しい苗字の裏には古代から中世にかけての庶民の洒脱なユーモアや、過酷な自然環境と共生するための知恵が隠されている。