連続ドラマ初主演を果たした板谷由夏。彼女が演じた主人公・新堂一葉の存在感は、今振り返っても圧巻の一言に尽きる。愛する娘を奪われた絶望と、犯人への憎悪を胸の奥底に秘めながら、早乙女家の家政婦として完璧な微笑みを崩さない二面性。その静かなる狂気は、観客の視線を画面に釘付けにした。
板谷といえば、これまで聡明でスタイリッシュな女性像を演じることが多かった。しかし本作で見せた、怒りに震える目元や声の低音部は、彼女のキャリアにおいて間違いなく新たな扉を開いた瞬間だったと言える。復讐という暗い情熱を抱えつつも、家族を守ろうとする母性の強さを同時に表現した演技力は、2026年現在の彼女の目覚ましい活躍の足がかりとなっている。