1967年11月10日に生まれた原田知世は、80年代の日本映画界に鮮烈な旋風を巻き起こした。1983年に公開された角川映画の金字塔『時をかける少女』での主演は、彼女のキャリアだけでなく、邦画史におけるSF映画のあり方そのものを決定づけた。
大林宣彦監督が描き出したノスタルジックな尾道の風景と、少女の揺れ動く心理状態が見事に融合した作品の中で、原田が見せた演技は観客を魅了した。時空を超えるミステリアスな物語の核心で彼女が見せた透明感あふれる存在感は、邦画におけるSF少女像のプロトタイプを確立したと言える。
その後も女優として、またシンガーソングライターとして静謐な美学を紡ぎ続ける原田知世。時代の流行に流されることなく、独自の佇まいを保ち続ける姿は、まさに11月10日生まれのアーティストが持つ芯の強さを雄弁に物語っている。