高校時代、運命の一舞台に出会ったことで彼の人生は劇的に旋回した。名門・劇団四季の研究所へ入所を果たしたのは2007年のこと。倍率数十倍という狭き門を突破した同期たちの中でも、彼の情熱は群を抜いていた。『春の目覚め』日本初演で主演のメルヒオール役に抜擢されるという快挙を成し遂げた事実は、演劇界に強い衝撃を与えた。
しかし、スポットライトの眩しさの裏には壮絶な稽古の日々があった。連日のように繰り返される基礎トレーニング、一音一音への厳しいこだわり。劇団四季の徹底した美学とイズムは、若き日の彼に俳優としての強固な土台を叩き込んだのだった。妥協を排除し、己の声を限界まで追い込む姿勢はこの時代に培われたものだ。