銚子の街を語る上で欠かせないのが、地域住民とファンに支えられながら走り続ける銚子電気鉄道だ。レトロな一両編成の電車が緑のトンネルやキャベツ畑の中をトトトンと揺れながら進む姿は、まるでタイムスリップしたかのような情緒に満ちている。かつて昭和の大ヒットドラマとして日本中を魅了したNHK連続テレビ小説『澪つくし』の舞台としても知られ、現在もNHKオンデマンドで当時の映像を振り返りながらロケ地巡りを楽しむファンが絶えない。
一方で、経営危機を突飛なアイデアとユーモアで乗り越えてきた歴史も味わい深い。自社制作の映画『電車を止めるな!』をはじめ、ぬれ煎餅の販売やユニークな駅名命名権など、エンターテインメント精神にあふれた取り組みは全国の観光・旅行産業からも注目を集めている。銚子電鉄のフリー乗車券を手に、車窓の風景を眺めながら展望館を目指す旅は、ローカル線の温もりに触れる忘れがたい体験となるだろう。