解散から長い歳月を経て2002年に奇跡の再結成を果たしたザ・ぼんち。あれから四半世紀近くが経ち、漫才界の重鎮となった里見まさとは、今どのような境地で舞台に立っているのか。
2026年現在の活動拠点であるなんばグランド花月(NGK)。出番の1時間前、楽屋に現れる里見の姿は、若い座員たちが思わず背筋を正すほどの厳格なオーラを放っている。舞台衣装への着替え、発声の確認、そして相方とのわずかな目線のやり取り。かつてのようなトゲトゲしさは消え失せ、そこには互いの呼吸を知り尽くした者だけが共有できる阿吽の呼吸が漂う。
最新の舞台裏では、おさむの予測不能なアドリブに対して、里見が絶妙な間とフレーズで観客を爆笑の渦へと巻き込む光景が日常的に繰り広げられている。「昔は相方のボケをすべて制御しようとしていた。今は違う。どこへ飛んでいっても、必ずセンターマイクの前に引き戻す自信がある」。楽屋裏でそう語る里見の表情には、半世紀の風雪に耐え抜いた者だけが持つ圧倒的な余裕と矜持が宿っている。