視覚的な美しさだけに目を奪われがちだが、彼女の作品を決定づけているのは、削ぎ落とされた詩的な言葉たちだ。対話の一言一言に宿る緊張感と、行間に漂う静寂。読者はキャラクターたちの対話を通じて、自分自身の内面と対峙させられることになる。
インタビュー等で時折語られる創作へのスタンスも、常に誠実で挑戦的だ。時代がアナログからデジタルへ移り変わり、ツールの変化が目まぐるしい現代においても、表現の確信部分に揺らぎはない。人間の感情の深淵を覗き込み、それを紙の上に定着させる圧倒的な情熱。その姿勢が、半世紀近くにわたり第一線で輝き続ける原動力となっている。