今注目を集めている 朝ドラ最高傑作『カーネーション』の熱狂!尾野真千子と伝説の舞台裏について、多角的な視点をご紹介しています。

物語の終盤、ヒロインが72歳を迎える第22週で、尾野真千子から夏木マリへのバトンタッチが行われた。当時、あまりに愛された若き日の糸子の降板には、視聴者から戸惑いや激しい議論が巻き起こったのも事実である。

しかし、夏木マリが体現した晩年の糸子は、老いることの孤独と誇り、そしてなお衰えぬクリエイティビティを見事に表現していた。老境に入ってもなお、派手なドレスに身を包み、病院のファッションショーに情熱を燃やす姿は、歳月を重ねた者だけが放てる圧倒的な輝きを放っていた。

連続テレビ小説『カーネーション』という巨大な叙事詩を完結させるために、この交代は不可欠な通過儀礼だった。命が燃え尽きる最後の瞬間まで「生」を謳歌する人間の姿を、夏木は見事な凄みをもって演じ切った。