甲子園といえば、水はけが良く独特の弾力を持つ「魔法の黒土」だ。鹿児島県産の黒土や岡山県産の赤土などを絶妙な配合でブレンドするこの伝統技術も、昨今の異常気象――突発的な豪雨や激しい乾燥――によって大きな試練に晒されている。
土のコンディショニングを担当するグラウンドキーパー集団「阪神園芸」と、土壌センサー開発を手がけるベンチャー企業がタッグを組んだ。土中の水分量や硬度をリアルタイムで可視化し、散水量や転圧のタイミングを1ミリ単位で調整する。長年の勘と経験に先端テクノロジーを融合させることで、豪雨の直後でも15分後には試合を再開できる伝説の水はけが守られているのだ。