パウダリーファンデーションのレフィルを別ブランドのケースに収めようとしたとき、最初に直面するのが各社独自の「金皿サイズ」の違いだ。国内市場において事実上の業界標準として長く親しまれてきたのが、株式会社資生堂が展開する「マキアージュ カスタマイズケース規格」である。縦およそ45mm×横53mm前後の長方形サイズは、多くのブランドが追随または近接した寸法を採用しており、互換性の検証において必ず基準点となる。
一方で、株式会社コーセーや花王株式会社の主力ラインもそれぞれ独自のミリ単位のこだわりを持つ。コーセー系の角丸デザインは一見すると資生堂系と酷似しているが、角のカーブ率(アール)の違いによって微妙に入らない、あるいは隙間が目立つケースが散見される。花王のプリマヴィスタなどは横幅や厚みにわずかな差異があり、接着テープなしではグラつきやすい。
日本化粧品工業連合会が定めるガイドラインにおいても、容器の完全な規格統一は義務付けられていない。各社がレフィルの脱落防止爪やマグネット配置、通気口の設計で独自特許を競い合っているからだ。他社ケースを流用する際は、単に縦横の寸法だけでなく、四隅の丸みと深さの3要素を事前にデジタルノギス等で把握することが失敗を防ぐ鉄則となる。