森一族の求心力を語るうえで欠かせないのが、学界、政財界、法曹界へと張り巡らされた華麗な婚姻関係だ。森家は単なる成金デベロッパーではなく、代々のアカデミズムと文化的素養を背景に持つ家柄であり、その血脈は日本のエリート層と密接に結びついている。
森稔の妻である森佳子は、森美術館の理事長などを務め、六本木ヒルズを「文化都心」へと昇華させる原動力となった。一方、森トラストを率いる森章の長女・伊達美和子は、早くから後継者としての頭角を現し、現在は同社のトップとして辣腕を振るっている。血縁関係を基軸にしながらも、それぞれの陣営が独自のネットワークを構築し、東京の都市開発競争を舞台裏から支えてきた。