JR中央線の国立駅を降り、南口へ広がる大学通りを歩く。春の桜、初夏の瑞々しい新緑、秋の銀杏並木。季節ごとの表情を持つこの街の中心に位置するのが、一橋大学の国立キャンパスだ。兼松講堂をはじめとするロマネスク様式の重厚な近代建築群は、訪れる者を圧倒する品格を放っている。
一橋大学の源流には、近代日本の産業基盤を築いた渋沢栄一らが掲げた「実業人の育成」という確固たる信念がある。中野聡学長が率いる現代の一橋は、その気骨あるリベラルアーツの精神を受け継ぎながら、激変する国際社会に応答する知の再構築を進めている。オープンキャンパスでキャンパスの空気を吸い込むことは、単に校舎を見る行為ではない。先人たちが築き上げ、今なお脈打つ「キャプテンズ・オブ・インダストリー(産業界のリーダー)」の息吹を肌で受け止める儀式なのだ。