もっとも、あらゆる場面で「手軽さ」ばかりが持て囃される現状に対し、一部の専門家からは慎重な議論を求める声も聞こえる。取得の難易度が低い資格やスキルは、必然的に参入障壁が低くなり、競合が増えるため差別化が難しくなるというパラドックスが存在するからだ。
キャリアコンサルタントとして多くの転職者を支援してきた中村麻美氏は語る。「入り口が広いことは挑戦の第一歩として素晴らしいことです。しかし、そこで立ち止まってしまえば『誰でも代用できる人材』から抜け出せません。手に入れた基礎知識の上に、どのような独自の実務経験や対人交渉力を掛け合わせるか。それこそが個人の市場価値を決定づけます」。