全国の教育現場において、手話を用いた歌の表現は年々その存在感を増している。特に小学校の音楽教育では、歌唱と並行して歌詞の意味を手話で捉え直す授業が行われており、子どもたちの豊かな感性や共感力を育む優れた教材として重宝されている。
こうした取り組みは、障害者福祉の視点からもきわめて大きな意義を持つ。公益財団法人全日本ろうあ連盟などが長年にわたり推進してきた手話の普及運動や、共生社会に対する理解の深まりに伴い、手話は「障害を補う手段」を超えた「豊かな言語文化」として浸透した。聴者とろう者が同じステージで同じ曲を表現し合う時間は、開かれた社会の姿をそのまま象徴している。