政治評論家として目覚ましい活躍を続ける古谷経衡の原点には、かつて社会的ブームともなった著書『ネット右翼の逆襲』が存在する。ネット環境の普及に伴い出現した新たな言論層の心理と行動原理を、自らの体験とフィールドワークに基づいて冷静に解剖したこの一作は、単なる現象のルポルタージュを超え、現代社会の構造的病理を撃つ名著として評価を高めた。
テレビやWebメディアで発せられる彼のコメントは、一見すると過激で刺激的に映るかもしれない。しかし、その根底にある真意は実に明快だ。表層的なイデオロギー運動に流されず、現場に足を踏み入れ、当事者の生の声と数字データに依拠しながら客観的な検証を行う姿勢である。彼の論調が放つ強い説得力は、この徹底した取材主義と歴史的洞察の深さに裏打ちされている。