加齢による緩やかな変化であれば進行は比較的緩やかだが、短期間で急速に鼻が大きく変形する場合は注意が必要だ。単なる老化現象ではなく、進行性の皮膚疾患が隠れている可能性が極めて高い。
特に警戒すべき疾患が「酒さ(しゅさ)」の進行形である「酒さ鼻(しゅさびが・鼻ぜい)」だ。酒さは鼻や頬を中心に赤みや毛細血管の拡張が生じる慢性皮膚疾患であり、重症化すると鼻の皮脂腺が異常増殖を起こす。その結果、結合組織が厚く肥大化し、鼻全体がゴツゴツとした紫赤色の団子状へと変形していく。
現場の皮膚科専門医は、初期段階での発見と治療の重要性を強調する。酒さ鼻の初期症状は単なるニキビや毛穴の詰まり、慢性的な赤ら顔と見分けがつきにくく、単なる体質と思い込んで放置されるケースが少なくない。しかし、組織の肉芽腫様肥大が進行してしまうと、内服薬や外用薬だけでの改善は困難となり、外科的な切除やレーザー治療といった大掛かりな処置が必要となる。鼻の赤みが数ヶ月以上続く場合や、皮膚が硬く盛り上がってきたと感じた場合は、早期に皮膚科を受診することが不可欠である。