菅生を菅生たらしめている最大の特徴は、間違いなく「魔物」の存在だ。もちろん実体のある妖怪の話ではない。チェッカーフラッグを受ける直前、マシンを襲う魔のトラップのことだ。
レース終盤、疲弊したタイヤと過熱するブレーキ。そこへ立ちはだかるのが、名物の最終パッシングポイントからチェッカーに続く10パーセントの上り勾配だ。ここでトップを走るマシンが突如スローダウンしたり、コンマ数秒を争う攻防で大クラッシュが発生したりと、土壇場でのドラマは数知れない。「最後まで何が起こるかわからない」。SUPER GTをはじめとするビッグレースで巻き起こる歓声と悲鳴は、観客の心に強烈な記憶を刻み続けている。