大相撲の表彰式が世界中のスポーツイベントと一線を画す最大の要因は、次々と土俵に運び込まれる桁違いの副賞群にある。天皇賜杯や内閣総理大臣杯といった格式高いトロフィーに続き、国内外の自治体や友好国から贈られる現物支給のスケールは圧巻だ。
福島県からは特産米「天のつぶ」1トンと福島牛、宮崎県からは高級牛肉1頭分に加えて旬の果実が贈呈される。さらにアラブ首長国連邦からは友好杯とともにガソリン1年分、チェコ共和国からは巨大なボヘミアンクリスタル製カップとビール1年分、大分県からは巨大な木箱に入った干し椎茸など、その品目は実にバラエティ豊かだ。
これらの膨大な食料品や飲料は、優勝力士個人が消費するのではない。所属する相撲部屋へと運ばれ、厳しい稽古を支える若い衆のちゃんこ鍋の食材となり、日頃から力士を支える後援者(タニマチ)や関係者へとお裾分けされる。豪華な副賞は、部屋全体の結束を強め、周囲への感謝を示すための重要な資源として機能している。