同じ歌をうたっていても、子どもたちの反応がまるで違うことがある。優秀な保育士や幼稚園教諭は、一体どのような工夫を凝らしているのだろうか。幼児教育の現場で実際に使われている「引きつけ技」の数々を取材した。
「大事なのは、声の強弱と『間(ま)』の取り方です」と、都内の園で勤務するベテラン教諭は語る。いわしの時はささやくような小声で始め、子どもたちに「次は何が起きるんだろう?」と集中させる。そして最後のくじらでは、全身を使って「パッ!」と弾ける。この静と動のコントラストこそが、子どもを引きつけて離さない中毒性を生み出しているのだ。
また、歌詞をわざと間違えたりテンポを急変化させたりする「いたずらアレンジ」も効果的だ。「いわしのひらきが……ラーメンになっちゃった!」などと脱線させると、子どもたちは大爆笑しながら「ちがうよー!」と突っ込んでくる。能動的な参加を促す仕掛けが、この手遊び歌には元々組み込まれている。