熱海の神社巡りにおいて、真っ先に名を挙げなければならないのが来宮(きのみや)神社だ。本殿の奥へと続く竹林の小路を抜けた瞬間、眼前にそびえ立つのは国指定天然記念物「来宮神社の大楠」。樹齢2100年以上とされるその幹周りは24メートルにも及び、全国の巨木ファンや写真家を惹きつけてやまない。
幹の周囲を1周すると寿命が1年延びると言われ、願い事を心に秘めて周ると叶うという伝説が根強く残る。だが、来宮神社が真に稀有なのはその古老の巨木を守りつつ、先進的な空間演出を融合させている点だ。境内に配されたスタイリッシュなオープンカフェ、落ち葉で作られるハート型のアーティスティックな小景、夕刻から始まる幻想的なライトアップ「Kodama Project」。古くからの信仰の場と現代デザインが見事に調和した空間は、2026年における最新の神社文化の象徴と言える。