平壌が対外工作の先鋒として送り出す女性たち。彼女たちの選抜は、単なる容姿の優劣だけで決まるものではない。国家の威信を背負う「顔」となる存在には、冷酷なまでに厳格なスクリーニングが課される。
2026年に入り新たに明るみに出た元当局関係者の証言によると、選考プロセスは全国の芸術学校や高等中学校から10代半ばの少女たちをリストアップすることから始まる。第一の関門は「出身成分(成分調査)」と呼ばれる過酷な身元調査だ。本人から遡って親族3代にわたり、反体制的な言動や思想的不純分子、脱北歴がないことが絶対条件となる。どれほど優れた容姿や音楽的才能に恵まれていても、血統にわずかな染みがあればその時点で候補から永久に除外される。
身元調査を通過した者に待つのは、ミリ単位の身体測定と健康診断だ。身長は165センチメートル前後で均一に揃えられ、顔の輪郭、肌のきめ細かさ、歯並び、さらには声質に至るまで詳細に記録される。わずかな傷跡や身体の歪みさえ許されない。
選抜された女性たちは外界から完全に遮断された合宿施設に集められ、数年間にわたる徹底的な思想教育と集団行動の訓練を叩き込まれる。日課となるのは、寸分の狂いもない拍手や合唱、そして常に完璧な笑顔を維持するための筋肉訓練だ。私生活は24時間体制で監視され、携帯電話の所持や無許可の外出、家族との自由な接触は一切禁止される。彼女たちが舞台で見せる笑顔は、感情の表出ではなく、過酷な規律によって極限まで研ぎ澄まされた演技に過ぎない。