投資の経験を積み、市場の波に翻弄されそうになった時に読み返すべき隠れた名著が、チャールズ・エリス著『敗者のゲーム』だ。本書は全米の投資家に長年読み継がれているベストセラーであり、プロの機関投資家すら市場平均(インデックス)に勝ち続けることがいかに困難であるかを膨大なデータで実証している。
エリス氏は、現代の株式市場をアマチュアのテニス試合に例える。勝利のカギは「素晴らしいショットを打つこと」ではなく、「ミス(アンフォーストエラー)を減らすこと」にある。資産運用業におけるプロのファンドマネージャーたちが激しい競争を繰り広げる現代市場では、アクティブに売買を繰り返すほど手数料コストや取引タイミングの誤りによってリターンが低下する。新NISAで成長投資枠などを使い高配当株や個別株に挑戦したい人にとっても、己の過信を戒め、市場の現実を突きつけてくれる必読の書である。