2021年11月、新たな第一歩として産声を上げた「株式会社MOSS」。二人が共同で設立したこのプライベートオフィスは、単なるスケジュール管理のための組織ではない。表現者として純度の高い企画を自ら発信し、実験的なアプローチを試みるための聖域である。
大手芸能プロダクションの庇護を離れる決断には、当然ながら相応の覚悟とリスクが伴った。しかし、商業的な制約を削ぎ落とした先に見えてきたのは、自らが心から信じ込める脚本や演出家との純粋なコラボレーションだった。オフィスの立ち上げから携わる関係者は、「作品選びの基準が『当たるかどうか』から『魂が震えるかどうか』へ完全にかわった」と証言する。ものづくりの原点へと回帰した彼らの決断は、静かに、だが確実に結実しつつある。