文字として書くことと、スムーズに発音できることの間には深い谷がある。「열한 시」を文字通り「ヨル・ハン・シ」と一音ずつ区切って発音しても、ソウルの街角角角路路では通じにくい。ここで立ちはだかるのが連音化(リエゾン)とパッチムの弱音化だ。
「열(パッチムㄹ)」の直後に弱音の「한(ㅎ)」が続くため、音がなめらかに連結して「ヨランシ(yeol-han-si → [yeo-ran-si])」と響く。舌を上あごにつけたまま次の母音へと流し込む感覚だ。ハングル能力検定協会が主催する検定試験やTOPIK(韓国語能力試験)のリスニング問題でも、この「ヨランシ」という音の連結は頻出トラップとして知られる。「ヨルハンシ」と待ち構えている耳には、「ヨランシ」という流麗な響きが全く別の単語のように聞こえてしまうのだ。