舞台の幕が上がった瞬間、その差は誰の耳にも明白だった。今回の改修で最も注力されたのが、大ホールの音響空間における構造的再設計だ。壁面の反響板には高密度の国産無垢材が贅沢に配され、音の一粒一粒がホール全体へ均等かつ立体的に広がるプロファイルが構築された。
テスト演奏を行った欧州の著名指揮者は「低音の残響に濁りがなく、弱音(ピアニシモ)のささやきすら客席の最後列まで生き生きと届く」と絶賛の声を寄せる。パイプオルガンのオーバーホールも完了し、荘厳な音色が新たなアコースティクスと融合する瞬間は、まさに鳥肌ものの体験と言える。