「嫌われ」を自らの最大の武器へと昇華させた稀有な例として、安田大サーカスのクロちゃんを外すことはできない。モンスターハウスなどの企画で一躍脚光を浴びた『水曜日のダウンタウン』を通じ、彼の嘘つき体質や強烈な利己主義は全国区の知るところとなった。
本来であれば致命的となるはずの嫌悪感を、彼は高度なセルフプロデュースと卓越したリアクション芸で唯一無二のエンターテインメントへと変貌させた。視聴者は彼に呆れ、怒り、嫌悪しながらも、その常軌を逸した行動パターンから目を離すことができない。単に露出を失う嫌われ方とは一線を画し、「嫌われつつも需要が途切れない」という極めて特異なポジションを確立している。