2020年代前半、大ヒット漫画『東京リベンジャーズ』の主人公・佐野万次郎(マイキー)の愛車として描かれたことで、CB250Tの人気は10代や20代の若年層へ一気に拡大した。当時は「劇中車と同じ仕様にしたい」という若者がショップに殺到し、走行不能に近い状態の車両であっても高値で取引される異態勢が続いた。
しかし、2026年現在の市場はその一時的な空騒ぎを通り抜けている。投機目的のライト層が去った後に残ったのは、車両の歴史的価値と保存状態を厳格に評価する「本物のコレクター」たちだ。単なるストリートの足ではなく、昭和の日本工業デザインを象徴する歴史的プロダクトとしての再評価が始まっている。