うきはの町並みを形作る吉井の白壁土蔵造りは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている歴史的遺産だ。宿の再生プロジェクトにあたっては、地元の宮大工や職人たちが結集し、数十年、時には百年以上前に建てられた建物の意匠を注意深く保護しながら、最新の断熱性能や音響設計を取り入れた。
土壁の温もりや木目の美しい板張り、職人の手仕事が光る組子細工の障子。それらの伝統要素が、洗練されたモダンライティングや快適なバスルームと違和感なく溶け合っている。古いものをただ保存するのではなく、現代のライフスタイルにそっと寄り添う形で活かす技法は、建築関係者からも熱い視線を浴びている。