近年の生鮮市場において、ひとつの転換点となったのが株式会社イトーヨーカ堂による『顔の見える食品』プロジェクトの本格展開である。今回、取材班は本取り組みに協力する千葉県内の大規模契約農家を訪ねた。現場で目にしたのは、アットホームな顔写真のイメージとは対照的な、徹底管理されたデータ駆動型の栽培風景だった。
圃場(ほじょう)では、農林水産省が策定する環境配慮型農業のガイドラインを基準とし、施肥量や農薬散布のタイミングがリアルタイムでデジタル記録されている。病害虫の発生を防ぎつつ、極力化学物質に頼らない管理体制が敷かれており、出荷直前の自主検査にいたるまで一切の妥協がない。消費者の手に渡るまでの全行程において、目に見えない幾重もの安全網が張り巡らされているのだ。