ちいかわの魅力の真骨頂は、キャラクターたちが生きる「世界の厳しさ」にある。可愛い見た目とは裏腹に、彼らは日々の糧を得るために危険な討伐仕事や草むしり労働に従事している。成果を出せなければ生活は困窮し、時には恐ろしいキメラや怪物に変異してしまうリスクすら隣り合わせだ。
彼らの社会を管理する「鎧さん」たちの存在もまた味わい深い。労働の対価として報酬を支払い、危機には手を差し伸べつつも一定の距離を保つ彼らの態度は、冷徹な社会システムとその中で生まれるささやかな人間味の対比を巧みに描き出している。可愛いだけのマスコットアニメとは一線を画す、このストイックな労働観が大人の琴線に触れるのだ。