船酔いしない人のタイプとは?最新医学研究が明かす驚きの共通点の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

極限状態における人間の平衡感覚適応は、宇宙開発の現場でも最重要課題の一つだ。アメリカ航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、無重力空間に入った飛行士が発症する「宇宙酔い」の克服に向け、数十年にわたり前庭感覚の研究を重ねてきた。宇宙飛行士に選ばれる候補者の多くは、地上での船酔いや乗り物酔いに対しても非常に強い耐性を誇る。

歴史をさかのぼれば、かつて豪華客船タイタニックの時代の航海記録にも、荒れ狂う大西洋上でまったく体調を崩さなかった一部の船員や乗客の記録が残されている。NASAやJAXAのデータ分析によれば、こうした人々は「脳内における視覚依存度が低い」という特徴を持つ。目からの情報だけに頼らず、全身の筋肉や筋膜に存在する受容器(深部感覚)で自己の位置を把握できるため、波の揺れに瞬時に同化できるのだ。