五感を揺さぶるアジアの熱狂、予約困難な極上名店と隠れ家の全貌に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

いま、アジア料理を取り巻く潮流は二極化と高度化を極めている。片や、現地そのままの雑多な熱気と屋台のスピード感を叩きつける大衆店。もう片や、数ヶ月先までシートが埋まる高級イノベーティブだ。かつてタイ・バンコクでゴーグル姿の女傑ジェイ・ファイが屋台料理として初めてミシュランガイドの星を射止めた事件は、単なる美談では終わらなかった。あれは、アジアのストリートフードが世界の頂点と肩を並べた歴史的転換点だったのだ。

その潮流はさらに加速している。鬼才ガガン・アナンドが提示したプログレッシブ・インディアンの衝撃以降、アジア各地の伝統的なスパイスワークと西洋の調理技法を掛け合わせた先鋭的なコース料理が続々と誕生。日本国内でも、わずか8席のカウンターで繰り広げられる予約困難な名店が美食家たちの話題を独占している。現地直輸入のハーブをその場で擂り潰し、薪火で豪快に焼き上げる肉料理。コース料金が数万円に達しようとも、席の争奪戦は激しさを増すばかりだ。