今回浮上した未公開ガラス原板の解析結果は、これまでのイメージを根底から揺さぶる。海外の旧家コレクションおよび旧薩摩藩関係者の未整理アーカイブから特定されたその写真には、軍服に身を包み、鋭い眼光でレンズを射抜く一人の男が写し出されていた。
画像解析チームは、現存する西郷の親族(西郷従道、西郷寅太郎ら)の骨格データと写真を3Dモデリングで照合。頭蓋骨の比率、耳介の形状、瞳孔間距離において97パーセント以上の適合率を記録した。肖像画に見られる愛嬌のある肥満体型の「西郷どん」とは異なり、そこに刻まれていたのは、冷徹なまでの洞察力を秘めた軍事指導者・政治家としての引き締まった顎のラインと彫りの深い眼窩である。残された軍服の勲章配置や襟の縫製パターンも、明治初期の陸軍大将時代の仕様と完全に合致することが確認された。