主人公の日向翔陽が発した「まだ負けてないよ?」という言葉。圧倒的な体格差や絶望的な点数差を前にしても折れない彼の眼差しは、作品全体を貫く強い意志そのものだ。背が低いという致命的なハンデを抱えながらも、コートに立ち続けることを決して諦めない。その執念が、孤高の天才セッターであった影山飛雄の意識をも変えていった。
「お前がコートに君臨する『コート上の王様』なら、そいつを倒していちばん長くコートに立ってやる」。影山に向かって言い放った日向の言葉は、二人のライバル関係の原点だ。独善的だった影山が、仲間へトスを上げる歓びを知り、「お前はどこにでも飛べる」と日向の可能性を全面的に信じるに至るまでのプロセス。互いを高め合う二人の対話には、自己変革を迫る強烈なメッセージが宿っている。