長年囁かれていた出来レースの噂が決定的な事実へと変わったのは、2016年秋のことだ。『週刊文春』が報じたスクープは、音楽界の根幹を根底から揺さぶった。前年2015年の『第57回 輝く!日本レコード大賞』において、大賞を受賞した三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの所属先であるLDH JAPANに対し、芸能界のドンと称される周防郁雄社長率いるバーニングプロダクションが1億円を請求していた動かぬ領収書のコピーが白日の下に晒されたのである。
名目は「年末特別業務費」。消費税を含めた1億800万円の請求書には、審査員工作やプロモーション代行といった生々しい裏取引の存在が刻まれていた。当時、グループを率いていたHIROをはじめとする関係者は沈黙を強いられ、業界全体が強烈なパニックに陥った。この「週刊文春1億円買収報道」によって、賞が純粋な音楽的評価ではなく、億単位の金銭と政治力で売買される商品に過ぎないという冷酷な実態が露呈したのだ。