彼女の伝説は、1962年の鮮烈なデビューから幕を開けた。作詞家・星野哲郎が紡ぎ出した痛快な言葉の数々と、名門レーベルである日本コロムビアから放たれた『恋は神代の昔から』は、瞬く間に日本全国を席巻した。「振られたら手を叩け」という破天荒でポジティブなメッセージは、戦後復興を経て高度経済成長へと突き進む日本社会の熱気と見事に共鳴したのである。
この楽曲は単なるミリオンセラーにとどまらず、歌謡曲というジャンルにおいて女性歌手が力強く大衆を牽引する新たなパラダイムを築き上げた。星野哲郎が彼女の天性の声量と勝気なキャラクターを見抜いて託したフレーズは、半世紀以上の時を経た今も色褪せることなく、人々の胸に生き生きと鳴り響いている。