演歌界のレジェンドとして君臨する彼女の歩みは、平坦な道などどこにもない険しい山嶺の連続だった。現在もなお定期的なリサイタルやイベント出演を精力的にこなし、客席の隅々にまで届くドスの利いた低音と艶やかな高音を響かせている。衰えを知らないその喉の秘密について、本人は「歌うことこそが呼吸と同じ命の営み」と淡々と語る。
80代も半ばを過ぎてなお背筋をピンと伸ばし、豪快なアクションとともに観客を鼓舞する姿は圧巻だ。単なる高齢歌手の現状維持ではない。磨き抜かれた表現力と人生の重みが溶け合い、一節歌うごとに劇場の空気が濃密に塗り替えられていく。現在進行形で進化を止めないその姿こそ、彼女が唯一無二と呼ばれる所以だ。