多くの視聴者がふと覚える「声の違和感」の正体。それは、緻密に組み立てられたプロの発声戦略に他ならない。宮根の喋りは、一般的なアナウンサーが叩き込まれる「標準的なNHK的発声」とは明確に一線を画す。胸式と腹式を巧みに切り替え、あえて少し鼻に抜けるような高めの倍音を混ぜ込むことで、騒々しいスタジオでも一瞬で視聴者の注意を引く音質を作り出しているのだ。
さらに、語尾を微妙に持ち上げる関西特有のイントネーションが、絶妙な生々しさを醸し出す。きれいに整えられた無菌室のようなアナウンスではなく、まるで居酒屋で隣の客が話しかけてくるかのような肉体感。これこそが視聴者に「引っかかり」を感じさせ、意識をテレビ画面に向けさせる仕掛けの正体だ。