2019年の逮捕劇は、すべてを一瞬で灰燼に帰した。主演予定だった日本放送協会(NHK)の大河ドラマ降板をはじめ、社会的制裁の嵐が吹き荒れる中、所属事務所であるエイベックス・マネジメントとともに彼女を精神的に支え切ったのがリラさんだった。自宅に閉じこもり、己の罪と向き合う日々。リラさんは娘を責め立てることも、過剰に甘やかすこともなく、ただ毎日温かい手料理を作り、同じ食卓を囲み続けたという。
空白の年月を経て、彼女が再起の場に選んだのはカメラのレンズの前ではなく、観客の息遣いがダイレクトに届く舞台演劇の世界だった。2024年に主演を務めた『欲望という名の電車』で見せたブランチ・デュボア役の怪演は、傷を負った人間だけが放てる凄絶な美しさを帯びていた。劇場の客席奥でその姿を見守っていた母の胸中に去来した思いは、計り知れない。