保育現場や子育て家庭における11月製作の実態を調査すると、計画段階では想定していなかった様々な事態に直面するケースが少なくありません。現役保育士のアンケートや連絡帳の記録から見えてくる現場のリアルを紐解きます。
「きれいに紅葉した木を作ろうと画用紙を用意したが、子どもたちは絵の具を手のひら全体に塗りたくり、画用紙をぐしゃぐしゃに握りつぶしてしまった」という事例は日常茶飯事です。しかし、発達心理学の観点から見れば、これは「破壊」ではなく「素材の可塑性や触感に対する積極的な探究行動」です。
保育者の意図した枠組みに子どもを無理に当てはめようとすると、製作活動そのものがストレスになりかねません。あらかじめ台紙を余分に用意し、破れたり絵の具が一箇所に固まったりした状態であっても、それを「力強い葉っぱの塊」「落ち葉の絨毯」として見立てて壁面製作に取り込む柔軟性が、保育現場のゆとりを生み出します。