彼女がステージに現れた瞬間、空気が変わる。頭部と体の比率が明らかにバグっているかのような錯覚。しかし、それこそが彼女の狙い通りなのだ。海外のオーディション番組に出演した際、辛口で知られる審査員たちが立ち上がって拍手を送った理由は、その圧倒的な「初速」にある。説明不要。見た瞬間に笑えるという原始的かつ最強の武器を、彼女は生まれ持った骨格によって手に入れている。
もちろん、ただ顔が大きいだけでは一発屋で終わっていただろう。彼女の真骨頂は、そのサイズ感を最大限に活かしたダイナミックなダンスと、狂気すら感じさせる表情の作り込みにある。社交ダンスの全日本ラテン選手権で準優勝した実績を持つ彼女のキレキレのステップが、頭部の大きさをさらに強調し、奇妙なアンバランスさを生み出しているのだ。このコントラストが、観る者の脳をバグらせる。