日生の海産物が持つ独特の甘みとクリアな後味。その秘密は、海中に広がる「アマモ場」にある。高度経済成長期に埋め立てや水質悪化で絶滅寸前に追い込まれたアマモ(海草)を復活させるため、日生の漁師たちは30年以上前から自の手で種を蒔き続けてきた。この地道な取り組みは現在、「里海づくり」の成功モデルとして世界中から注目を集めている。
アマモが群生する海域は、魚介類の産卵場となるだけでなく、過剰な栄養塩をろ過し、澄んだ水質を保つ働きをする。良好な水質のもとで太陽光を浴びた植物プランクトンが大量に発生し、それを食べて育つカキはエグみが一切ない純粋な旨みを蓄える。2026年現在の最新調査でも、アマモ場の拡大に伴って海中の生物多様性が一段と高まっていることが実証された。